情報体質について考える

企業によってどういう情報が流れて、どういう情報が流れないのか、流さないのか、また
は流し方をみるとその企業の情報体質が見えてくる。
一般的には都合が悪い情報は流れない。当たり前のことではある。しかし、“都合が悪い”
とは誰にとってなのだろう。
よく耳にするのは、これを流すと混乱するとか心配する、周りが誤解する、などだ。他社
に洩れるとこまるという言い方もあるかもしれない。
多くは心配のし過ぎというケースが多い。下手に流して責任問題になるのを恐れていると
いうこともある。
安心して流せることの一つに組織内の上下左右斜めの関係において「信頼関係」ができて
いるかということがある。
経営者も社員をどうみているかで流す情報の質も変わってくる。かなりリスキーな情報を
流してくれると社員側からの経営層に対する信頼感が強くなってくることもある。逆に隠
すような状況になると不信感が強まる。
以前勤めていた会社のことだ。
周囲の役員から「社長、そういう社の方向を示す重要なことを社員に話すことはやめてほ
しい。他社に洩れる」と言ったそうだ。
しかし社長は「赤字で業界最下位の会社で何を隠す必要があるか。それより、社員の気持
ちを一つにまとめていくことが大事ではないか」と言った。
この後、会社は見事に黒字浮上した。
業界のトップを走っている会社では難しいのか? 守る体制になると情報体質も変わって
くるのか?

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