今日はちょっと挑戦的な話です。
今、残業をどう扱うかについて国会で議論されようとしています。
国会で取り上げようとしているのは、ホワイトカラーの一部を残業代の支払い対象から外す新制度「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について。
残業問題は古くて新しい、未だに解決できていない問題。
この問題、なかなか解決しない。
風土改革支援の現場でも必ずと言ってよいほど残業問題が出てくる。
組織の風土体質問題の象徴として、働き方の問題イコール残業問題となるからだ。
不思議に思うのは、経営側が「サービス残業問題を改善しよう」という方針を出すと、どのマネジメント層からか、「残業はするな!」という指示に変わってくることだ。
困らせることで改善を促そうとしているのだろうか、現場では困りすぎて改善する力も無くしてしまう。
経営層からちょっと下りたマネジメント層あたりから「改善しなさい」が「残業をするな」に変わっていく。その下からは“火の用心的現象”で末端の管理者まで「残業をするな」という言い方になる。
一番末端では「残業すると社長に叱られる」と、とんでもない伝言ゲーム状態になる。
経営側の狙いは、サービス残業や長時間労働を無くすために業務の見直しや改善をしなさいということなのだが、“改善”はそっちのけで、強制的に帰してしまう。「残業はするな」だから・・・。
その結果として、自宅で仕事をしたり、自宅では出来ないような作業は手抜きに近い“改善?”を行う。
経営側も報告の数値だけを見て改善できたと喜んではいけない。
どのような改善をして削減できたのか、そのプロセスを見ないといけない。
改善した分だけ削減できたという見方をしないといけない。
“サービス残業、長時間労働”は日本企業の風土体質問題の表れ、氷山の頭の部分、水面下の風土体質問題まで踏み込まないと残業問題は改善できない。
サービス残業、長時間労働を美とするような風土体質を持つ企業では、新制度「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入はどうだろうか?
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