「私ピアノが弾けるの」
「そうなんですか、2階にピアノがありますからこんど弾いてみますか?」
「そうね」
Kさんはピアノが弾ける(らしい)
「私、幼稚園の先生だったのよ。そこで弾いていたの」
そうなんだ
いつか弾く機会をつくろうと考えていたが今日はフリーに動ける日
「Kさんピアノ弾きに行ってみます?」と聞いてみた
「いいわよ、疲れたから」と断られるかなと思ったら「行くよ」と返ってきた
おっ!
それなら気が変わらないうちにと急いで2階のピアノの前に案内しようとしたところにSさんがいた
「どこへ行くの?」とSさん
「これからピアノ弾きに行くよ」とkさん
「じゃ私も行くよ」とSさん
3人で2階のピアノ弾きに行った
Kさん、恐る恐る鍵盤に触れはじめた
たたくというよりそっと触る感じで
♪屋根より高い鯉のぼり🎏〜
童謡だ
92歳のKさん、楽譜も見ないで弾き始めた
♪ぞうさん、ぞうさん
♪めだかの学校
などなど懐かしい童謡が次々と
遠くから園児たちが一緒に歌っているようだ
15分ほどで終了
「ピアノが弾けるって嘘じゃないってわかったでしょ」
とKさん誇らしげだった
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