9月3日にいすず自動車の風土改革を“誰にでもできることではない”と強調して改革の進め方のポイントを紹介した
“誰にでもできることではない”ではなく“できたことが奇跡だった“と言い直した方が良いかもしれない
経営が悪化するまでの改革のやり方の特徴を挙げるとおよそ以下の6つだった
①やらせる組織(事務局)を作り強制する(やらせる)
→私が悪者になってもいいからやらせますという役員が出てきて旗をふる
②権威を使ってやらせる
③コンサルタント主導でやらせる
④できないと言わせない
→定期的に進捗報告会を開いてできていなければ役員やコンサルタントから叱責される
⑤やめると言わせない
→仕事だからやめられない
⑥実態とは違ってもプレゼン(報告)が全て
以上のようなやり方であり、伝統だった
だが1990年に行ったいすゞ自動車の風土改革は上にあげた6つの真逆のことをやったのだ
つまり
・事務局は作らない
・権威を感じさせるのはご法度
・コンサルタントは声がかかった時だけ出番
・やるのも自由、やめるのも自由
・就業時間中に活動しても良い
・報告は求めない。知りたければ知りたい人が自ら現場に行く
これらを中途半端なやり方ではなく徹底してやった
しかも年間数千万か億に近い予算を使っての活動だった
普通こんなやり方が許されないだろう
今、同じことをいすゞ自動車や他の企業でやろうとしても絶対に出来ないだろう
奇跡というしかない
これまでのマネジメントの在り方を批判したことで昨日までは親しかった人とも溝ができるほどだったが何故か組織を弱体化させるような対立の構図にはならなかった
これも奇跡か?
金と時間は会社が出す、やり方は社員が自由にやってよい、口は出さない、というやり方でも1万数千人の集団が方向を見失わなかった
取り組んで数年後に黒字浮上し、復配をするまでに立ち直った
このようなやり方は例がなかったはずだ
壮大な実験だった
しかも成功した
このやり方って人の持っている能力を引き出す1番良い方法かも知れない、逆に自然かもしれない
金と時間は会社が出す、やり方は社員が自由にやってよい、やめるのも自由、口は出さない、外部から知恵を借りるのも自由
この条件だったらいすゞ自動車がやった改革と同じことができるかもしれないが私も含めて同じことができた事例はない
最初で最後の取り組みだった
だから奇跡と表現した
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