2回怒られるより1回怒られたほうが良いじゃないかという理由

長年組織に身を置いていると上手く生き延びる知恵が身に付きます。
以前、風土改革の支援をしていた会社の課長との話です。
私は、なぜその目標では無理だ、見直しましょうと言えないんでしょうか? 頑張れば何とかなる目標なら部下の方も「よし!やってみよう」という気になりませんか? とお聞きしました。
課長は「あなた、何言っているんですか? 見直しを提案して変わるんならやりますよ」とおっしゃいました。
更に次のような理由を挙げられました。
「そんな見直しの提案をしたら、その時点でヤル気なしと見られ、大勢の前で怒られ、評価も悪くなる。結局、無理にやらされる。しかし、元々無理な計画目標だから、期末には未達成となり、そこで再び怒られる」
「だから、期初には頑張りますと言って、期末には頑張ったけど出来ませんでした、で、そこで1回怒られて済むんです」
どうせ未達成になるんだから、怒られるのも1回で済ませたいということでした。
その会社では常に高い目標が提示されます。
しかし、毎年決まったように目標に対して未達成という報告がされていました。報告を受ける側も未達成の理由は追及しません。
目標を作成する事務局も、それを報告するトップに対して、課長と同じように“怒られるのは1回で良い”と考えていたように思います。全社的に改革の初期のころはそのような体質でした。

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