ある企業の経営革新への取組において、経営側と社員との向き合い方で疑問に思うことがありました。
改革に取組む覚悟をどう社員に問うのか?
厳しい状況である時は、経営トップが先頭に立って社員と直接向き合って話をすることが大事なのですが、多くの企業のトップは、その役を他の役員に任せたりしています。
以前私が勤めていた会社でも四百数十億の赤字を出し、再建に取組むにあたって新社長がどう社員に向き合ったのかを思い出し、その時のビデオを久しぶりに見ました。
社長に就任する前に社員との700人の社員と対話した時の一部と、社長就任時に幹部クラスに話をした模様をビデオに収録したものです。
これは、全国の拠点で働いている人や、対話会に参加していない人に向けて、社長の人柄や何を考えているのかを知ってもらうために制作されたものです。
1992年の話です。
社長は就任の挨拶で幹部に風土改革の必要性を訴え、「まず、私が変わります」と言った後で「風土改革のポイント(must項目)」と称 して、下記の4つを指示しています。
700人との対話を通して4つのポイントに絞ったと思います。
1、全社員、重点志向でやれ
2、現場重視
現場で上手くいっているのか、現場をよく見てプランを考えること。机の上で考えるんじゃない!
3、自責完遂
みんな1本のロープにぶら下がっている。あの部が問題だと言ってもしょうがない。ロープが切れて一緒に落ちるのが嫌なら、他部署のことでも口に出せ!
4、カベは自ら壊せ
部長も役員もカベがあるなんて言っているが情けない。自分で壊せ!
最後に、「ただちに行動しろ。私と経営陣が先頭に立つ。誇りが持てる会社に1日も早くなろう」
と閉めています。
そして、1996年3月 388億の黒字となり復配を果たしました。
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