69歳介護士奮闘記〜出来るだけのことをするとは

安全だけを考えたら何もできない
極端な言い方だけど
看取りになったMさんへの介助でもそうだ
うなぎが大好きなMさん
今日もご家族が面会、居室にうなぎ弁当を持ってこられて差し上げていた
ただ、ほとんど嚥下能力がなく水分にトロミをつけて飲む程度
水以外はマンゴージュース、エンシュアプリンを少しだけ
しかも毎回咳き込んで辛そうにされる
真水が一番美味しいとおっしゃるMさん
そして毎回、起こしてほしいと言われる
端座位の状態に
何故かギャッチアップを嫌がる
一口の水を飲むだけでも
ただ1秒も端座位の姿勢は取れない
しかも背が高く、足が拘縮している為に
水を一口飲んでいただくだけでも多くの手間がかかるができるだけ要望をかなえてあげたい
そんなMさん、日に日にお顔がやつれていく
居室でご家族だけで過ごされている
持ってこられたうなぎ弁当を出来るだけ柔らかくすりつぶしたものを差し上げたが2口しか召し上がれなかったようだ
お帰りに「2口しか食べれませんでした。残りはできればまた差し上げてください。後は捨てていただいて結構です」とおっしゃった
「Mさん、スイカが食べたいとおっしゃっていました」とお伝えした
「そうですか」
それを聞いて嬉しそうだった
Mさんは日々変わる
2〜3日前まではコールボタンを押して「水が飲みたい、喉が渇いた」とおっしゃった
しかし今日はコールがない
気になって「喉乾きませんか?」と聞くと
「乾いた」と返ってくる
ボタンを押す力がないのか
夕食時、配膳が終わりちょっとだけ時間ができたのでMさんに「うなぎご飯食べますか?」と聞くと食べると返ってきた
誤嚥しないようにうなぎとご飯をドロドロになるまですり潰して差し上げた
2口食べた
しかし、そのあと激しくむせ込んだ
いつもと違うむせ込み方だったのでNSに連絡、吸引してもらった
窒息してしまうのではないかとドキドキだった
ご家族の想いを考えると何とかして差し上げたい
しかし、そこには誤嚥というリスクがある
万が一窒息でもしたら差し上げた人の責任になる
それを考えれば何も差し上げなければ事故も起きなければ責任も問われない
特にMさんの状況は水物以外は何も差し上げなくても誰からも非難されないし責任も問われない
でも、ご家族の想いを考えれば出来るだけ叶えて差し上げたい
Mさんに「うなぎですよ」と言うと「おお!」と嬉しいそうに目を輝かせる
その表情をみるとできるだけのことをしたい
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