改革における冊子「社長メッセージ」の役割

以前にいた会社での風土改革活動のことです。
現場のある監督者が小冊子「社長メッセージ」を手にしながら、
「我々もこの小冊子があるから改革の意志を通せるんです。周りが改革で目指していることと違う行動があったとき、社長がこう言っているんじゃないですか、おかしいんじゃないですか、と言えるんです」と話してくれました。
手にした小冊子「社長メッセージ」はぼろぼろな状態で各ページにはアンダーラインがたくさん引いてあり、よく読み込んでいるという様子が伝わってきました。
風土改革活動の初期のことです。
風土改革に対する社長の思いを変えようと思っている人たちにもどう伝えていくかを考えていました。
既に社報では社長の風土改革に対する思いを伝えていました。
しかし、社報だけでは“思い”は伝わりません。
その時の社長のイメージは企画畑出身でもあり、今まで、あまり表に出ていなかったのでどんな人か一般社員にも分からない、見た目も大柄で怖そうな顔でしたので、近づきにくい雰囲気もありました。
また、大勢の前で話をすることが苦手な人でしたので、大勢での社長対話も効果はないと考えていました。
そういう雰囲気の社長でしたので、社長自らの手書き感覚で、飾らず、本音で書いていただいた小冊子を作ることにしました。
本音で書いていただくところは、実際に少数の社員と本音でやり取りを何度もしていただき、それを参考にしていただきながらご自分の言葉で書いていただきました。小数での対話だととても説得のある、社員に勇気を与える話をされる社長でした。
そういうやり方で作成した小冊子「社長メッセージ」は現場の一般社員をはじめ多くの人が手にされました。
本来なら直接対話をするほうが思いが伝わると考えますが、どういう社長かによります。
したがって、対話をすれば上手く伝わる人と伝わらない人がいるということです。また、小冊子にすると伝わる人と伝わらない人もいます。
その小冊子はその後の風土改革活動に迷った時とか、ぶれた時などの拠り所となりました。先の現場の監督者のように、立場の弱い人には最高の支援にもなりました。

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