真っ先にMさんの部屋に入った
手を合わせるために
当然だがそこにはMさんはいなかった
ガランとしてすでに生活の匂いも消えたよう
安らかな最後のお顔だったと聞いた
お風呂が嫌い
声かけがうまくいってなんとか車椅子に乗って浴室に入っていただいただけでその日の仕事が全部終わったような気がした
髭を剃るのも嫌い
しばらく切らないから仙人みたいになった
身体を触られるのが嫌で排泄介助では苦労した
お下を綺麗にして良いですか?
と聞くと「良いよ」と強く拒否されるので「綺麗にさせていただきます」と言うようにした
毎回、拒否されないように細心の注意を払った
そんなやり取りもなかったようにガランとした次の利用者さんを待っているようだった
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