総務部長の役割 その1

最近、企業や組織の問題が出ると表に対する顔として会社の幹部が登場しますが、あの中には総務部系の人間もいるんだろうなあと見ています。
実は私も総務部長の役をやっていたことがあります。
「総務、労務の持っている責任権限から工場の社員を縛っている規制を壊せ!」と言うミッションを受けて5000人ちょっとの工場の総務部長に着任しました。
43か44歳の時でした。
妻からは「おめでとう」ではなく、「会社で何か不祥事があったの?その処理役なの?」でした。
TV等に出てくるあれを想像したらしい。
今で言うと抜擢人事というか強引な人事ですが・・・。
総務部長と言っても会社によって違うと思いますが、私の場合は、総務、労務、安全健康管理、動力、の4つの課と社外的な対応をしていました。
社外的な対応では、地域との交流や行政関係の場に工場のトップの都合が悪く出席できない時には総務部長が出ることになります。
おかげさまで度胸?がつきました。
また、周囲がまったく知らない人たちのパーティーでも、自然にその場に溶け込む術も身に付けることが出来ました。
その役に着任時、前任者からの引継ぎではだいぶ脅かされました。
その工場は、色々な思想を持った人もいましたので、外部と連携を取りながら毎月のように団体の抗議活動がありました。
脅しというか忠告ですが「そういう団体は工場だけではなく、自宅まで押しかけてくるから気をつけるように」「奥さんには話をしておいたほうが良い」ということでした。
幸い、一度もそういうことはありませんでした。
また、TVの前で頭を下げることもありませんでした。
その代わりに、社員が事件や事故に巻き込まれる毎に警察署や消防署、労働基準監督署という「署」のつくところには随分と頭を下げに行きました。
2年間の役でしたが、「なるほど、こうやって社員や社名を守っているのか」という、一般には知られない経験をしました。
<続きはいつか>

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