Mさんが逝った

先週の土曜日(2月18日)の朝

今日は入浴介助もある。先の水曜日の風呂ではMさんにぬるかったよと言われたなと思いながら出勤した

出勤時間を入力するところの連絡ノートを見ると昨日の午後Mさんが亡くなられたと書いてあった

その日私は休みだった

あまりに急なことで思わず「えっ」と声が出そうになった

その前の日は普段のMさんで、「今の電気カミソリは掃除が大変で新しく買うので何が良いかな」と相談を受けていた

私はフィリップスの製品を長年使っているので同じモデルを勧めた

早速、奥様に連絡されたようだ

男同士ということもあって、ある時は髪型の相談もされた

おしゃれな方だった

「もっと短く、刈り上げて、上はちょっと長め(今風)にしてくれと言うんだけど、なかなかそのように切ってくれないんだよ」と

私は「切る人も慎重になっているんじゃないですかね。一度切ってしまうと戻せないから(笑い)。少しずつ切ってもらいましょう」

「そうかなあ。よし、じゃ、この辺りを切ってもらおうか」

こんなやりとりを何回かして、最近はようやくお気に入りの髪型に近づいたようだった

Mさんは食事以外は居室内で過ごされることが多いが引きこもっているというわけではなく、ご自分なりの時間を楽しまれていた

時にはアメリカにいらっしゃるという娘さんとネット回線を使ってTV電話をされたりしていた

居室に伺うと、衛星放送で洋画を観たり、映画音楽やジャズが流れていたり、施設の中とは思えない空気感があった

いつものようにお風呂の準備ができたがなんか気持ちが乗らない

いつもなら朝一番で入るのがMさんだったので、看護師さんに入浴オッケーの確認をとって「Mさんお風呂の準備ができました」と声かけする

「よし!行くか」と立ち上がる

私は着替えと肌に塗る薬を預かって風呂場の入り口で迎える

Mさんは特に介助は必要ないが背中やお尻に薬を塗るだけはお手伝いした

Mさんが入っていない浴室はガランとしていた

Mさんはお通じが良くなるようにと運動を兼ねて朝と夕方に杖で廊下を歩かれた

杖をつく音でMさんが廊下に出てこられたことがわかった

お食事の時の味噌汁やスープ、うどんのつゆは熱々が好きでMさんのだけ電子レンジで熱くしてお出した

ダンディでお話が上手でMさんが座っている席では会話が弾んでいた

Mさんとのやり取りの思い出は尽きない

Mさん、突然にいなくなりショックですよ

でもMさんありがとう

コメント

タイトルとURLをコピーしました