遅番の時だった
いつものように9時45分に持ち場に就いた時にナースコールがなっていた
コール番号からN山さんとわかった
行ったらトイレに座っていた
靴下も靴も脱いでいる状態
ちょっと異常な感じがした
「どうされました」と聞くと
いきなり
何で何度も呼んでいるのに来てくれないんだ!
何で!
しっかりサポートしてくれるというから高い金を払ってお世話になっているんだ!
どうなっているんだ!
誰のせいだとかは聞きたくない(意味はよくわからなかった)!
責任者は誰だ、呼んできてくれ!
余計なことは言わないでまずは謝った
言い訳はしない
なんで、なんで、と何度も
しぱらくして怒りが鎮まってきた
あらためてお詫びし、起きたことは施設長に報告するが、施設長を呼んでくるのでN山さんからも話していただいて結構ですと伝えた
開き直りではなく
部屋を出た
施設長には詳細を報告した
何度呼ばれても行けなかった理由がわかった
職員が3人いたが、1人は入浴介助中、もう1人は排泄介助中、もう1人も他の仕事をしていたが入社したばかり、しかも外国の方でコールへの対応に不慣れだった
しかも訪室したがN山さんの言っていることが理解できず何もできず退室したようだ
N山さんの介助で気をつけなければならないことを前もって教えていなかった我々の責任だ
N山さんの介助は慣れた我々でもむずしい
車椅子に座る姿勢、ベットに横になる姿勢、トイレに座る姿勢、食事の姿勢、ちょっと大袈裟だが何もかもミリ単位の介助を望んでくる
ちょっとでも姿勢に違和感があると納得できるまで要求してくる
トイレに座るまでのリハパンを下すタイミングや位置、腰を振るタイミング、お尻の位置、座る時の車椅子の位置、
こだわりが半端ではない
一般的なトイレ誘導とは全く違う
別の部屋からもコールがあると「早く!」と思ってしまう
N山さんはパーキンソン病の症状が出ているが自分でできることはやりたいという信念が強い
認知にはなんの問題はない
だから、自分の身体が徐々に動かなくなっていくことに半端ではない不安を感じていると思う
本来なら専属のスタッフがいたほうが良いと思うが不可能だ
自分がその立場になったらと思うと決め細く満足していただけるような対応をしたいと思うが、介助する人とは重なった時にはそうはいかない
介護の理念
その人らしく生きるをサポートするだが
時間に追われるそれも忘れて単なる作業になる
以前に「最強のふたり」という映画を観た。
このような介護ができたら良いなあ。